新作は『秘湯河童ノ淵停車場』です

劇団清水企画代表の清水です。

今年も新作を上演することになりました。

 

私事ですが、今年から随分と働く環境に変化があり、ありがたいことに朝から晩までずっと演劇と関わる仕事をしています。演劇と関わる仕事って、こんなに沢山あるだなあと改めて知りましたし、まだまだ知らない仕事があるんだよなあとも思います。もちろん一人で全部の仕事ができるわけではないで、色々なことを教えてもらい、色々な人たちと協力して仕事をします。そして、その中で私ができる仕事は何なんだろうと考え続ける日々です。

 

ひとつ、よりはっきりしたことは、自分の劇団で作品を創ることは、私の中でとても大切な時間だということです。仲間たちと一緒に、何かを創ってみようという衝動から形にしてみるという行為は、私の生活の中で必要な時間であるということが、はっきりしました。この感覚を失わないように、私は劇団清水企画での創作を続けてゆこうと思います。

 

今回の劇は『秘湯河童ノ淵停車場』という題名にしました。劇団で活動し始めてから25年が経ち、それなりの数の作品をみんなと創ってきましたが、そこに何度か河童が出てきました。停車場や乗り物も良く出てきます。書きたいモチーフあって、それらが姿を変えて登場するお気に入りがいくつか決まっているようです。秘湯は初めて出てくる場所です。だから、螺旋状にぐるぐると違う階に進んで行きながら、好きなものが知らないものと出会ってそこに物語のようなものが生まれ、劇を創り続けているのだと思います。かけ足で階段をのぼることもあったし、途中で腰掛けて休んだこともあったし、ゆっくりと一段一段のぼってみることもありました。今は、もうちょっと先に進んでみるとどんなだろうと考えています。付きあってくれる仲間と一緒に。

 

劇団には、新しく中野葉月が入団しました。劇団の平均年齢が少し下がりました。公演のチラシのデザインもしてくれています。公演は一年ぶりになりますが、同じく20代の三瓶くんと中野さんが提案してくれて、劇団内で戯曲を読む会を開催したりしました。新しいものが混ざりあって、形を変えながら流れてゆけばいいなあと思います。ひとまず、今回の新作です。今のところ随分おもしろいです、私にとって。まずはそこです。これも、よりはっきりしたことです。ご覧いただいて、お客さまには果たしてどう観えるだろうと、はらはらどきどきしながら、稽古を続けます。劇場でお待ちしています。


劇団清水企画代表 清水友陽